昔の雰囲気が漂う町、エンジュシティ。
アサギシティからフライゴンでこの町までひとっとびでやって来ました!!

「この町は、昔、都が置かれていた町なんだってさ。」
「へぇ〜だからラルースシティと対極にあるような古い町なんだね…」

コリンク、それって、褒めてるの?けなしてるの?ま、いっか。
そう思った瞬間、

「ヒカル!!危ないっ!!」

いきなりコリンクが叫ぶと、肩から飛び降りて、スパークを発動して、
向こうから向かってきた電気エネルギーの塊のようなものと衝突する。

「…コリンク、大丈夫?」
「うん。僕は全然平気だよ。ヒカルは?」
「おかげさまでかすり傷一つ無いよ。…にしても、今の電気エネルギーの塊はスパークかな?」
「いや、違うみたいよ。」

僕はコリンクに促された方向を見る。
そこにいたのは、真っ赤な可愛い頬っぺたに、黄色い体の、そう、ピカチュウ。
ピカチュウってことはサトシ?

「すみませーん!!大丈夫ですか?」

声がしたかと思うと、サトシと同年代ぐらいの男の子が駆け寄ってくる。

「うん、大丈夫だよ。」
「よかった。僕、ヒロシです。こっちは相棒のレオン。」

レオン?そっか、このピカチュウのニックネームか。

「僕はヒカル。それと、パートナーのコリンク。」
「実は、レオンのボルテッカーの練習をしてたんだけど、ボルテッカーが暴発しちゃって。」

そっか、ボルテッカーか。
ボルテッカーは、ピカチュウとその進化系統だけが覚えられる技。
威力は高いけど、反動のダメージがあって、ハイリスクな技だ。

「なら、僕もポケモントレーナーだし、良ければボルテッカーの習得、手伝おうか?」
「いいの?」
「うん。」

という訳で、レオンのボルテッカー習得の手伝いをすることに。





「レオン、今度こそボルテッカーだ!!」
「コリンク、スパーク!!」

レオンは、電気を纏って、突進してくるが、途中で失速し、ボルテッカーは不発。
そのままコリンクのスパークを受けてしまう。

「…!!大丈夫?」
「うん、大丈夫だけど…。」
「ピカァ…」

レオンが少ししょんぼりとしてしまう。

「大丈夫だよレオン。根気よく練習すればいつか出来るようになるさ。」
「ピカピカ!!」
「…あのさ、ちょっと思うことがあるんだけど。」
「え?」
「電気エネルギーは足りてると思うんだ。ただ、その状態でスピードが維持出来てないんじゃないかな?」
「スピードか…」

ヒロシはさっきから練習しっぱなしだと言うので、ヒロシ達は少し休憩をとることに。

「さあてと。準備は良い?ゼニガメ!!」

僕がモンスターボールから出したのはゼニガメ。
祖父の部屋の机の上に置いてあったモンスターボールに入っていたポケモンだ。(祖父の事は何も知らないっていってるんだけどさ。)
その代わりに、ポッタイシがナナカマド研究所で待機中。
本人は、「一人で技に磨きをかけたい」と言ってるから、その意気をかって…
そのおかげで、恒例のポッタイシとセレビィの喧嘩が無くなって良かったんだけど…

「で、ゼニガメ。君のトレーナーは僕でいいのかい?」
「えっと、その…お願いします…」
「じゃあっと…」

ポケモン図鑑で確認すると、使える技は、水鉄砲、滝登り、殻に篭る、ハイドロポンプか。

「相手お願いできる?コリンク。」
「オッケー♪」
「よし!!ゼニガメ、ハイドロポンプ、コリンクは10万ボルト!!」

ハイドロポンプと10万ボルトが正面衝突する。
なかなか威力のあるハイドロポンプだな…これなら即戦力級だよね。

「次!!滝登り!!コリンクはスパーク!!」

滝登りでスパークと衝突して、お互いにふっとんで間をとる。うーん、やっぱり強い…

「うん、大体分かった。ありがとう、ゆっくり休んで。ゼニガメ。」

僕はゼニガメをモンスターボールに戻すと、先にヒロシが戻って休んでいるポケモンセンターへと戻った。



ポケモンセンターのロビーでヒロシが座っていたので、僕は隣に座る。

「そういえば、ヒロシはなんでエンジュシティに?ジム戦?」
「いや、今までナナシマにいたんだけど、カントーのリーグに再挑戦しようかと思ってさ。」
「再挑戦?」
「うん。以前、一回挑戦したんだけど、その時はベスト8だったから。」

ベ、ベスト8…
凄いような気がするんですけど…

「よし、レオン、ボルテッカーの練習再開だ!!」
「ピカッ!!」
「また付き合ってくれない?」
「うん、勿論オッケーだよ!!」

僕たちは、さっき練習していた、ポケモンセンターの庭に戻る。

「レオン!!ボルテッカーはスピードが大切だ!!まず、『電光石火』をして、その勢いを生かしてボルテッカーだ!!」
「ピカ!!」

なるほど、電光石火の勢いを生かしてボルテッカーに繋げるのか。

「コリンク、スパーク!!」

レオンのボルテッカーがぐんぐん迫ってくる。
身に纏っていた電気の鎧も剥がれず、そのままコリンクと衝突する。

「よし!!完成だ!!」
「やったね!!ヒロシ!!」

勿論、細かいコントロールとか、威力とか、まだまだ課題はあるだろうけど…
習得するまでの努力に比べれば、たいしたことないだろうからさ。

翌日。
ヒロシはカントーへ急ぐからと、先に旅立った。

僕たちは、グリーンフィールドに寄っから、トージョーの滝経由でカントーへ行くつもり。
さ、行こうか!!


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