「ユキ選手が3匹ポケモンを失った為、インターバルに入ります。」 選手控室に戻ると、サトシ達とコウキの姿が。 「お疲れ!!」 コウキはそう言いながら、ジュースを僕に渡してくれた。 「…うん。やっぱり初めてのフルバトルだし、緊張するよね。ちょっと。」 僕は少し苦笑いして、ジュースをグイッと飲み干した。 …美味しいな、このジュース。 「でも、出だしから良い調子だろ?流石だぜ。」 「ああ、ちゃんとヒカルのペースに持って行ってたぞ。」 「うん、ありがとう、サトシ、タケシさん。」 僕は、ジュースの缶をごみ箱に放り投げたけど、ごみ箱はジュースの缶が入るのを拒み、 ジュースの缶はごみ箱の角に当たって、手前に落ちる。 「チェッ。」 僕はジュースの缶を拾い直すと、ごみ箱に入れる。 「じゃあ、そろそろ行くよ。」 「ああ、後半戦も頑張れよ。」 「うん、じゃあ!!」 「さあ、後半戦、試合再開です!!」 フィールドはルーレットで岩のフィールドに決まる。 「エネコロロ、バトル・オン!!」 「頼むよ、イーブイ!!」 「ネー!!」 「ブイ!!」 「イーブイ、シャドーボール!!」 「ブイ!!」 言うまでもなく、ゴーストタイプのシャドーボールの威力は無い。 だが、僕の目的はそれじゃない!! シャドーボールはエネコロロの近くにあった岩にヒットし、 岩が崩たのがエネコロロにヒットする。 「エネコロロ、猫の手!!」 「エネェ〜!!」 猫の手は冷凍ビームになって、イーブイに迫る。 「交わしてアイアンテール!!」 「ブイ!!」 「こちらもアイアンテール!!」 「ネェッ!!」 アイアンテール同士が衝突し、火花が散る。 「イーブイ、嘘泣き!!」 「ブイ…ブイー」 「二度も同じては喰らわないよ!!エネコロロ、猫の手!!」 猫の手から放たれたのはソーラービーム。 だけど、こっちの準備も完了してるんだ!! 「よし!!イーブイ、とっておき!!」 「ブイーッ!!」 とっておき。それは使うポケモンがとっておき以外の全ての技を使うと使用可能になる技。 無意味な嘘泣きをしたのも、シャドーボールを無茶な使い方をしたのもそのため。 イーブイは、ソーラービームを弾きながら、エネコロロに向かって突き進む。 「行っけぇ〜!!」 「もう一回猫の手!!」 猫の手を使ったエネコロロは、地中へと潜る。 「穴を掘るか!!イーブイ、気を…」 「遅いよ!!最大パワーで、穴を掘る!!」 穴を掘るはヒットし、イーブイは大きく吹っ飛ばされる。 「イーブイ、戦闘不能!!」 「ありがとう、イーブイ。後はゆっくり休んで。…準備は良い?コリンク!!」 僕の出したのはコリンク。 「一気に決めるよ!!コリンク、スパーク!!」 「コォリィ〜!!」 電気を纏ったコリンクがエネコロロに体当たりを食らわす。 「エネコロロ、アイアンテール!!」 アイアンテールとスパークが激突。 威力は互角…いや、少しコリンクが劣っている。 特性、闘争心の影響で、物理攻撃技の威力が落ちているんだ。 だったら…!! 「コリンク、10万ボルト!!」 「エネコロロ、猫の手!!」 猫の手から出たのはマッドショット!! ま、まずい!! マッドショットは、10万ボルトを物ともせず、コリンクに命中する。 …効果は抜群だ。 「コリンク、いったん戻って!!…準備はいい?エルレイド!!」 「エルレイッ!!」 フィールドでエネコロロとエルレイドが対峙する。…今までのイーブイ、 コリンクとのバトルで、エネコロロはそれなりに体力を消耗しているはず!! 「エネコロロ、猫の手!!」 猫の手から出たのは冷凍パンチ。 「エルレイド、かげぶんしん!!」 「レイッ!!」 エルレイドが幾重にも分身し、冷凍パンチは影に当たる。 「全部の影を撃って!!猫の手!!」 猫の手から出たのは波乗り。 波乗りに巻き込まれて、次々と消えていく。…だけど。 「…!!本体がいない?」 そう、波乗りに巻き込まれたのは影だけ。 「エルレイド、インファイト!!」 イーブイ戦で、エネコロロが掘った穴からエルレイドが飛び出し、 エネコロロにインファイトをヒットさせる。 「エネコロロ!!」 「エネコロロ、戦闘不能!!」 ユキはエネコロロに声をかけながらモンスターボールに戻す。 「まさか、エネコロロの猫の手で出た技を逆に利用するとはね…やっぱり流石ね、ヒカル。 ラグラージ、バトル・オン!!」 …そっか。さっきのマッドショットはこのラグラージの持ち技か。 「エルレイド、まだ大丈夫だよね?」 「…エルレイ。」 「よし、サイコカッター!!」 「レイッ!!」 エルレイドのサイコカッターがぐんぐんラグラージに迫る。 「ラグラージ、我慢!!」 我慢しているラグラージにサイコカッターがヒットする。 「…よし、一気に決めるよ!!連続でサイコカッター!!」 サイコカッターで何度も切り付けるエルレイド。 「…くっ、倒れない…」 「今よ!!ラグラージ、我慢を解いて!!」 「エルレイド、影分身で交わして!!」 「レイッ!!」 「ラージ!!」 エルレイドは、影分身で分身を作るが、我慢で放たれた光の前に次々と消し去られ、 エルレイド本体を打ち抜く。 「エルレイド、戦闘不能!!」 「ありがとう、エルレイド…」 「ヒカル、確かにあたしとポケモン達のバトルスタイルは、運によるバトルスタイルだよ。 でもね、このラグラージだけは特別。攻めて攻めて攻めまくる!! これがあたしとラグラージのバトルスタイルだよ!!」 僕はエルレイドをしまったモンスターボールをぎゅっとにぎりしめる。 「準備はいい?フライゴン!!」 「フラッ!!」 「ラグラージ、がむしゃら!!」 マズイ!!がむしゃらは受けたダメージが多ければ多いほど威力が上がる技。 サイコカッターで何度も切り付けられたラグラージが使えば威力はかなり高くなってしまう!! 「フライゴン、上昇して交わすんだ!!」 「フラッ!!」 フライゴンは空高くに飛び上がり、ラグラージの攻撃を交わす。 「ラグラージ、ハイドロポンプ!!」 「フライゴン、破壊光線で迎え撃て!!」 ハイドロポンプと破壊光線が正面衝突し、大爆発を起こし、その爆風で2匹とも飛ばされ、 壁にたたき付けられる。 「ラグラージ、フライゴン、両者戦闘不能!!」 次へ 戻る