「僕の2番手は…準備はいい?フライゴン!!」
「ダグドリオ、トライアタック!!」
「ダグーッ!!」
「交わして火炎放射!!」
「フラッ、フラーイ!!」

トライアタックをひょいと交わしたフライゴンは火炎放射を放ち、火柱はぐんぐんダグドリオに迫る。

「ダグドリオ、穴を掘るで交わして!!」

…落ち着け。確かに穴を掘るは地面タイプの技で、『浮遊』しているフライゴンには効果が無い。
勿論、火炎放射を交わすだけでも十分効果はあると言っていいのだろうが…

「ダグドリオ、フライゴンの真下からトライアタック!!」
「ダーグ!!」
「フライゴン、交わして!!」

フライゴンは慌てて急上昇するが、トライアタックの直撃を喰らう。

「フライゴン、体勢を整えてとんぼ返り!!」
「フラッ!!」

フライゴンは急反転、とんぼ返りをダグドリオに命中させる。

「ダグドリオ、戦闘不能!!」
「ありがとう、ダグドリオ。流石ね、ヒカル。あのまま押せ押せで行けるかと思ったんだけど…」
「こっちとしても、これ以上好きな様にはさせられないからさ。」

僕は、モンスターボールに戻ったフライゴンに声をかけながら、
別のモンスターボールを取り出す。
とんぼ返りは使った後、ポケモンが勝手にモンスターボールへと戻る面白い技だ。

「準備はいい?イーブイ!!」
「ブイ♪」
「デリバート、バトル・オン!!」
「デリィ〜」

デリバート…たしかプレゼントって技が得意だったはず。
プレゼントは相手に大きなダメージを与える時もあるけど、
相手を回復させてしまうこともある、ハイリスクな技。
まさにユキにピッタリだ。

「デリバート、プレゼント!!」
「イーブイ、交わしてシャドーボール!!」

イーブイは投げ付けられたプレゼントの箱を交わしてシャドーボールを当てる。

「デリバート!!冷凍パンチ!!」

僕は、ニコッとイーブイに笑いかける。
するとイーブイが大粒の涙を流し始めた。
デリバートは、困惑して、冷凍パンチを止め、ユキの指示を仰ぐ。

「今だ、イーブイ、シャドーボール!!」

イーブイはピタッと泣き止み、シャドーボールを発射する。

「イーブ!!」

デリバートは、油断していたところにシャドーボールがヒットし、大ダメージ。

「嘘泣き…か。すっかり騙されたよ。」
「ははは…」

いや、この作戦、イーブイ自身が『可愛い女の子が泣いてたら、相手だって油断するでしょ?』
って言って、やりたがってたから取り入れたんだけどさ…
ここまで効果覿面とは思わなかったよ。

「デリバート、自分に向かってプレゼント!!」

…な!?いや、恐らくプレゼントの回復効果が当たる可能性にかけた指示なのだろうけど…
余りに無茶すぎる。

「イブイ、ブイーブイ?」

因みに、セレビィが手持ちを離れている今、翻訳機能は働いていない。
まあ、恐らくイーブイは僕に指示を仰いでいるんだろうけど…

「よし、イーブイ、シャドーボール!!」

その瞬間、プレゼントの箱が爆発した。

「…デリバートは?」

煙の中からは、回復したデリバートが現れた。

「…はぁ。相変わらず運が良いね…」

僕は思わず大きなため息をした。

「デリバート、冷凍パンチ!!」
「戻って!!イーブイ!!」

冷凍パンチがヒットする前に僕はイーブイをモンスターボールに戻す。

「お疲れ様。また後でよろしくね。…さてと。準備はいい?ポッチャマ!!」
「デリバート、プレゼント!!」
「デリィ〜!!」
「ポッチャマ、バブルこうせん!!」
「ポッチャ〜!!」

プレゼントのボックスをバブル光線が打ち砕く。

「続けてつつく!!」
「ポッチャー」

!?あれは?
遥かにパワーアップしたつつくがデリバートにヒットし、デリバーはぐるぐる目を回して倒れる。

「デリバート、戦闘不能!!」
「あの技は…『ドリルくちばし』?」
「ポチャ、ポチャ。」
「ありがとうデリバート。ラプラス、バトル・オン!!」

…ラプラス。特性貯水の影響で水技は全て無効か。なら!!

「ポッチャマ、ドリルくちばし!!」
「ポチャー!!」
「交わして冷凍ビーム!!」
「プー!!」

本来海にいるはずなのに、ここ、陸上でよくもと思う早さでラプラスは攻撃を交わし、
冷凍ビームを放つ。

「バブル光線で応戦して!!」

冷凍ビームとバブル光線が正面衝突。
…が、やや冷凍ビームが優勢だ。

「ポッチャマ、最大パワーで行っけぇ〜!!」

その瞬間、ポッチャマの体が輝き始め、バブル光線が止む。
輝いているポッチャマに冷凍ビームの光が覆い被さり、あっという間に氷結する。
その瞬間だった。

「ポッターァ!!」

氷を勢いよく、メタルクローで切り裂き、ポッタイシが現れる。

「…ポッチャマがポッタイシに進化した!!」
「これ以上勢いつかせるのはマズイよ!!ラプラス、絶対零度!!」
「ラァープゥー!!」
「よーし、ポッタイシ、メタルクローだ!!」
「ポッタァー!!」

ポッタイシは閃光の中を駆けるごとく、メタルクローで絶対零度の光をぶった切りながら、
ラプラスに接近し、メタルクローを命中させ、ラプラスは倒れる。

「やったぁ〜!!ポッタイ…え?」

そこにあったのは、ポッタイシがぐるぐる目を回している姿。

「ラプラス、ポッタイシ、両者戦闘不能!!」
「ありがとう、ポッタイシ。…しかし、なんで?」
「気付かなかった?ポッタイシがメタルクローで、氷から脱出したとき、
『滅びの歌』を使ったの。」

ほ、滅びの歌?
なるほど、それでポッタイシまで戦闘不能になったわけか…

「ユキ選手が3匹ポケモンを失った為、インターバルに入ります。」

…さて、残りのイーブイ、フライゴン、エルレイド、コリンクでいかに戦うかな
。




次へ
戻る