「お疲れ様、コリンク。」

僕はコリンクをモンスターボールに戻す。
…雨の力で強化されているとは言え、かなり強烈なハイドロポンプだったな。

「ポッチャマ、頼むよ!!雨状態は君にとっても有利な状況のはずだよ!!」
「任せなさーい!!」
「ポッチャマ、バブル光線!!」
「キングドラ、交わすんだ!!」

おお、流石特性「すいすい」。
早さがケタ違いだよ。

「キングドラ、ハイドロポンプ!!」
「ポッチャマ、交わし…いや、ハイドロポンプの水の中に飛び込むんだ!!」
「な!?」

ポッチャマはハイドロポンプの中に飛び込む。
基本、ハイドロポンプは相手を水の勢いで相手を吹っ飛ばしてダメージを与える技。
だが、その水の中に入ってしまえばほぼ無傷である。

「そのままつつく攻撃!!」
「…!!ハイドロポンプを竜星郡に切り替えろ!!」
「今だ!!ポッチャマ、渦潮!!」

竜星郡は渦潮に巻き込まれ、遠心力で外へと弾かれる。
弾かれた竜星郡はキングドラに命中、効果は抜群であることも重なって、キングドラに大ダメージを与える。

「今だ、ポッチャマ、最大パワーでつつく攻撃!!」

ポッチャマのつつくがキングドラクリーンヒットし、ポッチャマはぐるぐる目を回して倒れる。

「キングドラ、戦闘不能!!よって、勝者、ヒカル!!」
「よくやってくれたね、ポッチャマ。お疲れ様。」
「ポッチャマ!!」

ふと視線を上げると、トオルさんが手を差し延べてる。

「ヒカルさん、僕の分まで頑張ってくださいね。」
「勿論。良いバトルをありがとうございました。またいつか、機会があればバトルしましょうね!!」

僕はトオルさんの手を握り、握手を交わした。


その数日後、僕やサトシやユキは無事に予選を突破したのだが…
僕は深刻な問題に悩まされている訳で。
それは、メンバー不足。
いざとなれば、セレビィを使うことも出来ないわけではないけど、極力それは避けたい。
そんな悩みを抱えながらも、僕はタマゴからかえったイーブイと特訓をしていた。

「フローゼル、アクアジェット!!」
「イーブイ、交わしてシャドーボール!!」

イーブイはアクアジェットを受け流して、シャドーボールをヒットさせる。

「うん、イーブイは交わし方を大分習得したみたいだね。シャドーボールの威力も上がってるし…」
「うん。偉いよ、イーブイ。」
「みんなの足、引っ張りたくないからね♪」

因みに、僕のイーブイは♀。
イーブイが生まれる前は、性別不明のセレビィを除けば、手持ちが全て♂だったからな…

「…で、６匹目のポケモンを誰にするかは決めたんですか？」

イーブイが聞いてくる。

「うーん………。いや、まあ、ね。」
「あのさ、ヒカル、君が良ければの話だけど、僕のドダイトス、貸してあげようか？
セレビィは僕が預かっとくからさ。」
「え、いいの？コウキ？」
「うん、僕はセレビィと観戦してるからさ。」

うん、コウキのドダイトスならケチのつけようが無い。

「じゃあ、お願い出来ます？」

僕はセレビィのモンスターボールをコウキに渡し、コウキは渡しにドダイトスのモンスターボールを渡した。

「よし、６匹揃った…!!」
「そういやさ、そろそろ本戦の組み合わせの発表がある頃じゃないか？」
「…あ、本当だ!!じゃあ早くポケモンセンターに行かなきゃ!!」

ポケモンセンターのモニターの前には沢山のトレーナーや報道陣があつまっていた。

「やっほー、ヒカル!!」

声がした方を見ると、ユキ、それにサトシ、ハルカ、マサトくん、タケシさんに見慣れない人が何人か。
多分、サトシの知り合いだと思うけど…

「おう、ヒカル。発表はもうすぐだぜ。」
「うん…初戦は誰と戦うことになるのかな…」

ユキやサトシと当たる確率も十分ある。
というか、優勝を目指す以上、通抜けなければいけない難関だから…

「ただ今から、本戦第１回戦の組み合わせを発表します。」

順々に発表されていく対戦カード。

「俺はマサムネとか!!よし、マサムネ、風呂まで競争だぜ!!」
「オラ、今日はやめとくだ…」

おお。やっぱりあの人…マサムネ君だっけ、はサトシの知り合いみたいね…
なんかやけに落ち込んでたけど…

「マサムネ君、だっけ？彼ってサトシの友達なの？」
「ああ、あいつは俺のライバルだぜ!!」
「何か様子が変だったけど…」
「ヒカル…」

隣から不意に声がかかる。
僕はハッとして、モニターに目線を移す。
僕の顔写真の隣にあったのは、……ユキの顔写真だった。

「まさか初戦であたっちゃうなんてね…」
「そうだね。…明日はよろしくね、ユキ。」
「…うん!!」





翌日。
サトシＶＳマサムネ君の試合は、途中まで本領発揮出来なかったマサムネ君が、
立ち上がりの差を挽回出来ないままサトシの勝ちになった。
組み合わせ発表の時、サトシの側にいた人の試合は残念ながら見逃しちゃったんだけどね。

そして僕の試合。
フィールドを挟んで向かい側にユキがいる。
フィールドは、草のフィールド。

「それでは、試合開始!!」
「ダグドリオ、バトル・オン!!」
「準備は良い？ドダイトス!!」

ユキはダグドリオ、こちらはドダイトス。
相性的にはこちらが勝っているのだが…

「ドダイトス、タネマシンガン!!」
「ドダーッ!!」
「あなをほるで交わして!!」

ダグドリオは穴の中に逃げる…が!!
逆にこっちにとってチャンスだ!!

「ドダイトス、地震!!」
「ドーダー!!」
「ダグーッ!!」

地震は「穴を掘る」なんかで地中にいる相手に対しては、普通の倍近くダメージを与えるんだ!!

「反撃よ!!ダグドリオ、地割れ!!」
「なっ!!ドダイトス、交わ…」
「ドダーッ!!」

ドダイトスは地割れに巻き込まれて倒れる。

「ドダイトス、戦闘不能!!」
「よくやったね!!ダグドリオ!!」
「ありがとう、ドダイトス…。」

僕は少しうつむきつつ、ドダイトスをモンスターボールに戻す。

運で勝負してくるユキに正攻法、つまり知識による攻め方は通用しない。

「僕の２番手は…準備はいい？フライゴン!!」




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