「本当に先でいいのか?」 「うん。全然構わないよ。」 今、僕達はトクサネジムの中にいる。 3人一緒にはジム戦は出来ないから、誰が先に挑戦するか決めているところ。 因みに、今の会話は、上から順に、サトシ、ユキの順番。 「じゃあ、そうさせてもらうぜ!!」 「皆さん、お待たせ。」 フウさんとランさんが入ってくる。 「…皆に相談があるんだけど、僕たち、明後日に出掛けなきゃいけないんだ。 だから、MAX2戦しか出来ないんだ。」 「え?じゃあ、誰か一人ジム戦が出来ない…?」 「うん。チャレンジャー1人VSジムリーダー2人っていうこのジムの普段の形式ならね。 そこでなんだけど、誰か2人がタッグを組んで、チャレンジャー2人VSジムリーダー2人っていう、 特別なタッグバトル形式にしようかと思うんだけど…」 「良いじゃん、それ!!面白そう!!」 「うん、悪くないね。」 というわけで、トクサネジム戦は初日はサトシとフウさん&ランさんのバトル、 二日目は僕がユキとタッグを組んで、フウさん&ランさんとバトル。 というわけで、サトシのジム戦が始まったんだけど、最初は息が合ってなかった ジムリーダー二人組もウケ狙いのあの人達(ちゃんとロケット団って名乗ってるんだから、 ロケット団、って呼んであげようよ…byコリンク)の襲撃をきっかけに、 息を合わせるようになった。(ウケ狙いの人達がジムを壊して、野外バトルになったんだけど) 結局は、サトシのピカチュウ、オオスバメがルナトーンとソルロックを破って勝利を収めた。 その夜、僕とユキはポケモンのチェックがてら、ミーティングをしていた。 「ピクシーとコリンクちゃんはすっかり仲良くなっちゃったね。」 「うん、そうだね〜。さっきからずっと遊んでるからね。でさ、明日なんだけど、 ユキはどのポケモンで行くつもりなの?」 「あたしはこの子にするつもりよ、出ておいで、エネコロロ!!」 「エネコロロか〜可愛いよね。」 で、僕のポケモンはどうするか。 エネコロロのサポートなら、ノーマルの弱点である、格闘タイプに対して優位なエルレイドにすべきだ。 しかし、トクサネはエスパータイプのジム。 エルレイドは、タイプ的にエスパータイプに対して優れてはいない。 ルナトーンとソルロックに強いポッチャマが順当なところなんだけど… 「ねえ?もしかして使うポケモン迷ってる?」 「あ、うん、まあ…」 「じゃあ、あたしが指名してもいい?」 「いいけど…」 僕はそう言って、セレビィを除く手持ちをモンスターボールから出す。 「エルレイドにフライゴン、それにポッチャマか…うん、やっぱり、コリンクが良いかな。」 「OK!!」 タッグバトルでは、味方との息を合わせることが大切。 それ以上に、なんだか、ユキのチョイスだから、色々とラッキーが起こるかもしれないしさ。 翌日… 応急処置が済んだジムの中で、僕たちはジムリーダーの二人と向かい合っていた 。 「それではこれより、チャレンジャーヒカルとユキ対ジムリーダーフウとランによる、 ポケモンリーグ公式バッチを賭けたバトルを始めます。 ルールはそれぞれポケモンを1匹ずつ持ち寄ったタッグバトル。 どちらかのチームのポケモンが両方とも戦闘不能になった時点で試合終了とします。 それでは、バトル開始!!」 「準備は良い?コリンク!!」 「エネコロロ、バトル・オン!!」 「行け、ネイティオ!!」 「頼むよ、ネンドール!!」 な!?ネイティオとネンドール? ルナトーンとソルロックじゃないのか? 「ネンドール、コリンクにサイケ光線!!」 「…コリンク、交わして!!」 が、コリンクにサイケ光線が命中する。 ごめん、コリンク。ルナトーンとソルロックが出てこなかったことに気をとられすぎてたよ。 「コリンク、大丈夫?」 「うん、なんとか…」 「エネコロロ、ねこのて!!」 ねこのて…確か手持ちポケモンの技の中からランダムでどれかが出る、って技だったはず… そして、「ねこのて」は冷凍ビームに変わり、ネンドールに向かう。 「ネイティオ、追い風!!」 追い風の効果によって素早さが上がったネンドールは、楽々と冷凍ビームを交わす。 いや、流石は二人でジムリーダーをしているだけある。二人の呼吸はピッタリだね… 「ヒカル、分かってると思うけど、ポケモンバトルでは1+1=2とは限らないよね? 3にも4にもなりえるから。ただ、1単体はあくまで1なのよね。 だから、とりあえず、どちらかを集中攻撃してつぶしたほうがよいと思うんだけど。」 「よし、じゃあ、今サポートしているネイティオを狙ってこう!!」 「分かったわ。エネコロロ、吹雪!!」 「コリンク、ネイティオに10万ボルト!!」 「ネェッーーー!!」 「コリーーーッ!!」 吹雪と10万ボルトがネイティオに向かう。 特に吹雪は全体攻撃技だから、ネンドールにもダメージを与えられる。 「ネイティオ、サイコキネシスで吹雪を弾いて!!」 「ネンドール、ネイティオの前に出て10万ボルトを受けとめろ!!」 吹雪はサイコキネシスで弾かれ、10万ボルトはネンドールにほぼ効果は無い。 「ネンドール、ジャイロボール!!」 「ネンドーッ!!」 ジャイロボールがエネコロロにクリーンヒット、エネコロロは弾き飛ばされる。 「エネコロロ、猫の手!!」 その瞬間、氷の光線がネンドールに向かい、ネンドールが一瞬にして凍る。 「この技は…絶対零度?」 「うん、良いタイミングで出たね♪」 いや、タイミング良すぎだから… この苦戦しているタイミングにおいて、たまたま絶対零度が出て、ネンドールの隙をついた。 恐るべきラッキー戦法とでもいいますか… まあ、チャンスを作ってくれたんだから、感謝しなきゃいけないんだけどね… 「コリンク、『じゅうでん』を使ってパワーを貯めるんだ!!」 「させないよ!!ネイティオ、あやしいひかり!!」 「エネコロロ、癒しの鈴でサポートして!!」 あやしいひかりを受けたコリンクは、一瞬混乱するが、癒しの鈴ですぐに元に戻る。 「今だ!!コリンク、最大パワーでスパーク!!」 「リーン!!」 コリンクのスパークがネイティオにヒットし、ネイティオは目をぐるぐる回して倒れる。 「ネイティオ、戦闘不能!!よって勝者、チャレンジャー、ヒカルとユキ!!」 「やったぁ〜!ありがと、エネコロロ。」 「偉いよ、コリンク。」 「ネー。」 「リン♪」 「ありがとう、ネイティオ。」 「ネンドール、お疲れ様。」 フウさんとランさんはポケモン達に労いの声をかけながら、ボールに戻す。 「完敗だよ、二人とも。」 「うん、特に最後の方は息もピッタリ合ってたしね。」 「これがトクサネジムのマインドバッチだよ。受け取って。」 「よーし!!マインドバッチゲットで、準備完了!!」 「リン♪」 そして、ポケモン達の回復を終えた僕とユキは港で別れることに。 僕は最後のジムであるルネジムへ、ユキは新しいポケモンをゲットするために、 ミナモシティへ向かうという。 「じゃあ、ここでお別れだね。」 「ええ。次に会うのはポケモンリーグの開かれるサイユウシティね。」 「うん、じゃあ、サイユウシティで!!」 ユキはにこっと笑い、船の中へと消えた。 「ヒカル…強力なライバルが出来たね。」 「うん。さあてと!!次のジム戦も頑張ろうね!!コリンク。」 「うん!!」 次へ 戻る