マジカルリーフと10万ボルトが正面衝突し、爆発音が鳴り響く。
現在、僕はトクサネ宇宙センターでポケモンバトル中。
どうしてかと言うと…

…時間は数時間前に遡る。
僕はサトシ達一行とトクサネシティへと来ていた。
のだが、残念ながらジムリーダーはトクサネ宇宙センターに行っていて留守。

サトシは、さっきから宇宙センターに行きたがっているマサトに「宇宙センター
に行くのはジムリーダーを探しに行くためだからな」と釘を打って、宇宙センタ
ーに行くことに……した時。向こうから走ってくる僕やサトシと同い年ぐらいの
少女が。

「みんな、トクサネジムのジム戦も頑張るよ!!」

あ、ジムへの挑戦者か。

「生憎、ジムリーダーなら留守だよ。」
「え?」

ドーン。
少女はこちらを向いた瞬間に壁に衝突。
かなり痛そう…。

「あいたたたた…」
「おい、大丈夫か?」

サトシが聞く。

「ははは…あたしは平気。はじめまして、あたしユキと言います。」
「俺、マサラタウンのサトシ。」
「私、ハルカ。」
「僕、マサト。」
「俺は、タケシだ。」
「僕は、ヒカル。よろしくね。」
「よろしく…で、ジムリーダーが留守って言うのは…」
「ジムリーダーならトクサネ宇宙センターに行ってるって話だから、今から行こうと思ってるんだ。
そうだ、一緒に行かない?」
「え、いいの?」
「勿論OKだぜ!!」
「じゃあ、お言葉に甘えて〜」


トクサネ宇宙センターは凄かった。詳しく話すときりがないからは割愛することにするよ。
センターを見て回る途中で、下のフロアでやっているポケモンバトルの光が漏れてるのに気付いて、
僕達は下のフロアへ。
バトルをしていたのはフウさんとランさんと言う双子だった。
フウさんとランさんにロケットの打ち上げを見に行かないかと誘われた。だけどさ…

「うん…そうしたい所だけど、僕たちはトクサネジムのジムリーダーを探さなきゃいけないからさ。」
「そうそう!!そっちの方が優先だぜ!!」
「そうよね。」
「それなら大丈夫、ジムリーダーもロケットの打ち上げを見たいと思ってるはずだよ。」
「「「?」」」
「サトシ、ヒカル、ユキ、あなたたちはもうジムリーダーに会っちゃってるのよ。」
「僕たちがトクサネジムのジムリーダー、フウとランだよ。」
「ジムリーダーが二人?」

いや、これは僕も知りませんでした。ガイドブックにもエスパータイプ使い、
としか書いてないしな…
というわけで、僕たちはロケットの打ち上げを見に行く…はずだったのだが…

「ねえ、せっかくだからポケモンバトルしない?」

というユキさんの提案で、僕はポケモンバトルすることに。
フウさん達とサトシ達は先にロケットを見に行っちゃったけどさ。

「じゃあ、使用ポケモンは1匹でいい?」
「オッケー!!じゃああたしは、ピクシー、バトル・オン!!」

モンスターボールの中からピクシーか現れる。
ピクシーはカントー地方のオツキミ山ぐらいにしか生息していない珍しいポケモンなんだよな…

「準備はいい?コリンク!!」

僕のポケモンはコリンク。

「じゃあ行くわよ!!ピクシー、指を振る!!」
(なかなか面白い技を使って来たね〜)

モンスターボールの中からセレビィがテレパシーで話しかける。

「うん。『指を振る』はポケモンが使う全ての技の仲からランダムで一つでる技だよね。」
(対戦相手だけじゃなくてさ、自分にも何が出るか分からないから、
その分トレーナーの瞬間的判断力やセンスが問われる高度な技だよ。)

ピクシーはたくさんの葉っぱを出現させ、攻撃してくる。

「あれはマジカルリーフ?コリンク、10万ボルトで向かえ撃って!!」

…というわけで現在に至る。
マジカルリーフは必中技だから、交わすことは不可能。だから迎え撃つしか防御の方法が無い。
爆発音と共にマジカルリーフと10万ボルトが相殺される。

「コリンク、続けてスパーク!!」
「指を振る!!」

コリンクのスパークがピクシーにヒットする。が、しかし。

「あの技は『リベンジ』?」

指を振るで出た技は「リベンジ」だった。
リベンジは攻撃を受けた後に使うと、威力が2倍になる技。

「だ、大丈夫?コリンク?」
「う、うん…それにしても凄い強運だね…」
「本当だな…」

指を振るでは中々都合の良い技は出ない。
このタイミングで「リベンジ」が出るのはある意味奇跡だよ…

「ピクシー、サイコキネシス!!」

あ、まともな技も覚えてたんだ。
よかった…じゃなくて。

「コリンク、ダッシュ!!」

サイコキネシスは動いている相手には中々当てにくいって、セレビィが言ってたからさ。

「コリンク、そのままスパーク!!」
「ピクシー、『指を振る』!!」

な!?此処まで指を振るを使うか?
この攻撃が通ればピクシーはノックアウトされるはずだ。一度まともにスパークを受けてるし…
指を振るは……不発?

ピクシーは吹っ飛ばされ、グルグルと目を回して倒れる。

「やったね!!コリン…?」

みるとコリンクも目を回している。
何故コリンクまで…?

「『道連れ』が出たみたいね。」

道連れは、自分が戦闘不能になったとき、相手も戦闘不能にする技。

「ありがとう、コリンク。…しかし驚いたよ。『指を振る』でこんなバトルが出来るんだ。
凄いな、ユキさんは。」
「はは、これがあたしのバトルスタイルとして定着しちゃったんだ。
それと、あたしのことは呼び捨てでいいよ。」

彼女はピクシーに言葉をかけつつ、モンスターボールに戻す。

「さ、ロケットの打ち上げを見に行こっか。」

というわけで、ロケットの打ち上げを見に行ったのだが…

「ロケットがロケット団に乗っとられた?」
「いや、それどういうギャグだよ…」

マグマ団とアクア団は知ってるけど…ロケット団は初耳だなぁ…
って、そんなこと言ってる場合じゃなくて。

サトシのヘイガニの活躍で、ロケット団はやっつけたんだけど、
中にいるマサト君とフウさんがロケットを着陸させなきゃいけないらしい。
が、心配無用でした。
二人は無事にロケットを着陸させ、ロケット団とかいうウケ狙いの人達はハルカさんとランさんの
攻撃で吹っ飛ばされてお星様に。

こうして、長い長いトクサネシティの初日は幕を下ろしたのでした。
…結局僕は何もしなかったけど。



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