えーっと、この状況をどう表したらいいのか… ことの発端は、ミナモシティから。 コリンクとエルレイドのコンビネーション技の特訓を終え、 ラルースを去ってミナモシティに着いた僕たちだったんだけど。 「え?船はもう出ちゃったんですか?」 「ああ、つい一時間前出ちまったよ。」 ガックシ。あーあ、ツイてないな。 (何も計画性がないのがいけないんじゃん…byセレビィ) 「次はいつなんですか?」 「4日後だ。」 またまたガックシ。4日もミナモシティに足止めですか… ………………… 「そうだ!!フライゴンに乗せてってもらえばいいよね?」 僕は肩に乗っているコリンクに聞く。 「うん、いいと思うよ。」 「じゃあ、早速。準備はいい?フライゴン!!」 モンスターボールの中からフライゴンが登場。 「フライゴン、船がしばらく出ないらしいから、 トクサネシティまで連れてってくれない?」 フライゴンは黙って頷くと、僕たちはフライゴンの背中に乗った。 そこまでは良かったんだけど、たまたまアクア団 (例の赤くて怪しいビジュアルの人達…マグマ団と張り合ってる人達。 ポケモントレーナー雑誌の特集には出てたから知ってるんだけど。) の潜水艦と出くわして、捕まっちゃったという訳。 で、現在、アクア団のトップ、アオギリさんと面談中。 「さて…俺は君に危害を加えるつもりはないが、潜水艦を見られて、 警察にでも通報されると厄介だからな。しばらく大人しくしてもらおうか。これから大事な取引がある。 それが終わったら開放してやろう。」 「…大事な取引?なんなんですか、それは? 人を閉じ込めておくんだから、理由ぐらい説明してくださいよ。」 (お!!来た!!ヒカルの超空気読めてないかつお坊ちゃま発言攻撃!!) と、セレビィがテレパシーで話しかける。 別に、空気読んでない訳じゃないんだけどな… 「…いいだろう。話してやろう。俺達アクア団は、生物の源である海を広げ、 生物の発展を促す目的で活動しているのだ。その為には、伝説のポケモン、カイオーガが必要。 だが、そのカイオーガは、マグマ団に捕獲されてしまったから、俺達が捕まえたグラードン、 奴らが欲しがっているポケモンと交換することに決めた。」 「…さっきと言ってることが矛盾してません?」 「…?」 「だって、貴方達は『生物の源である海を広げ、 生物の発展を促す』ことを正しいことだと思ってるんでしょ?」 「あ、ああ…」 「だったら、別に警察にばれても困ることじゃないでしょ。 ポケモン交換も合法だし、個人の心の問題ですから。」 ……………………… ……………………… ……………………… あれ?僕なにかまずいこと言った? 「おい、このガキを倉庫にでもぶち込んどけ。」 「はっ!!」 というわけで、僕達は倉庫に閉じ込められることに。 何時間経過しただろうか… 「ねぇ、ヒカル、どうにかして脱出できないかな?」 「うーん…一応あれを試してみますか。準備はいい?フライゴン、ポッチャマ!!」 僕が考えたのは、マグマ団の時にもやった炎、水、電気の同時攻撃。 水は電気分解をすると、酸素(O)と水素(H)に分解する。 それに、炎を加えれば、大爆発が起こる、ってこと。 一応、学校では理科と技術と家庭科(裁縫だけだけど)は得意だったんだよね。 「ポッチャマはバブル光線、コリンクは10万ボルト、フライゴンは火炎放射!!」 ドッカーン、という爆音と共に、大爆発が起きる。 けど、そこにはたいしたダメージも受けていない壁が。 …えーっと、なんでこの壁、こんなに硬いの? 「……どうしようか?これから?」 「おい、ヒカル、この壁はどうしてこんな硬い作りになってるか分かるか?」 フライゴンが聞く。 「そんなの分かるはずないじゃん。そんなのアクア団の勝手じゃないの?」 ポッチャマが答える。 うん、確かにどうしてこの壁が硬い作りになっているかなんて、わからないはずだけど… 「そう言ってるってことは、フライゴンは分かってるの?」 「あくまで推測だがな。ここの壁が硬く作られている理由、 それは、中に爆発物なんかの危険なものが入ってるからじゃねーか?」 「…ああ、なるほど。」 「恐らく、内部でこの爆発物が爆発すれば、アクア団の奴らが見に来るだろ? その隙に脱出すればいいんだが…」 「下手をすれば爆発に巻き込まれて…か。」 コリンク… さりげ怖い事言うよな… と、その時だった。腰のモンスターボールが勝手に光り、中からセレビィが。 「さっきから黙って聞いてれば、僕の存在忘れて!!僕のテレポート能力を使えば、 この倉庫から外にでることだって、余裕でしょーが!!」 「……………あ」 「いや、ごめん、すっかり忘れてた。」 「普段、たいていはモンスターボールの中にいるから、影薄いからさ…」 「あ〜っ!!一番気にしてる所を…うう…(泣)」 ポッチャマの一言はセレビィに効果は抜群だった見たいだね。 「…えーっと、じゃあ、セレビィ。お願い出来る?」 セレビィは黙って頷く。 「じゃあ、みんな、戻って。」 セレビィ以外をモンスターボールに戻すと、一瞬周りの景色が消えて、崖にたどり着く。 「これは…?」 「ん?あそこにいるのはサトシじゃない?」 「…本当だ。しかも怪しいビジュアル(マグマ団)の人もいるね。戻って、セレビィ。 準備はいい?フライゴン!!」 僕はフライゴンに跨がって、サトシ達がいる足場へとたどり着く。 「おーい!!サトシー!!」 「あ、ヒカル!!」 僕は、フライゴンから飛び降りる。 「何かあったの…ってあれ?貴方、もしかしてカントー四天王のワタルさん?」 「ああ、そうだが…」 「うわぁー!!本物だ〜!!握手してもらえます?」 実は、僕の故郷ではワタルさんは超人気。 僕もワタルさんの大ファンである。 「…ヒカル君、悪いけど今はそれどころじゃないんだ。サトシ君のピカチュウが 藍色の珠と融合してしまってな。」 さっきまでは気付かなかったが、おそらくポケモンだと思われる生物上にピカチュウがいる。 だが、様子が変だ。ていうか、ピカチュウが乗ってるポケモンて、あれは確か…? …それにしても、藍色の珠ってどこかで聞いたことあるな。えーっと、えっと…。 「あ、確か藍色の珠って、伝説のポケモン、グラードンを操ることが出来るといわれている珠ですよね?」 「ああ。よく知ってるな。」 島でその手の本は読みあさったからなあ… 他にもシンオウ地方の時空伝説、オレンジ諸島の火の神(特別なファイヤー)、 氷の神(特別なフリーザー)、 雷の神(特別なサンダー)にまつわる伝説も割と詳しいよ。 …後者は、少し前、その伝説に書いてあったことが、 ジラルダンとか言うポケモンコレクターがファイヤーとサンダーを実際に捕まえちゃって、 その伝説が本当に起こっちゃって、世間でも騒がれてたから興味を持っただけだけどね。 話がずれたけど、やっぱりピカチュウは何らかの理由で復活したグラードンの上に乗ってるんだ… …なんらかって、アクア団がグラードンを捕まえたってアオギリが言ってたから、 アクア団が復活させたに決まってるけどさ… 「ワタルさん、みんなをお願いします。俺はピカチュウを助けに行きます。 グラードンやカイオーガとバトルしてでも!!」 「…しかし!!」 「…よくわかんないけど、とりあえず、サトシのピカチュウがピンチなんだよね? だったら僕も協力するよ!!」 「ヒカル!!」 「俺も!!」 「あたしも!!」 「僕も出来るかぎりのことをするよ!!」 「…分かった。じゃあ、サトシ君は俺のカイリューに、タケシ君達はギャラドスに、 ヒカル君は君のフライゴンに乗ってくれ。タケシ君達とヒカル君は、 ギャラドスとフライゴンでカイオーガとアオギリの注意を引き付ける。 俺達は、ピカチュウを助けるチャンスを伺う。」 「…カイオーガって、確かグラードンと正反対の力を持つ超古代ポケモンですよね?」 「ああ。マグマ団が捕獲したのをアクア団が奪ったんだ。」 なるほどね。つまり、超古代ポケモン同士の対決ってことか。 「分かりました。行くよ、フライゴン。」 「サトシ、くれぐれも無理しないでよ。」 「そっちも気をつけろよ。」 僕はフライゴンに乗り、サトシはワタルさんと一緒にカイリューに乗る。 後の3人はワタルさんの色違いギャラドスにのる。 ハルカちゃんはアゲハント、タケシさんはミズゴロウを出す。 「アゲハント、銀色の風!!」 「ミズゴロウ、水鉄砲!!」 銀色の風と水鉄砲がアオギリが乗っていると思われる飛行機を直撃する。 「ちょこまかとうるせえ奴らだ!!カイオーガ、破壊光線!!」 「フライゴン、こっちも破壊光線で応戦だ!!」 「フラーッ!!」 フライゴンの破壊光線に加え、ワタルさんのギャラドスの放った破壊光線がカイオーガの破壊光線を破り、 カイオーガにヒットする。 「グラーッ!!」 加えてグラードンのソーラービームがカイオーガにヒットし、カイオーガが吹っ飛ばされる。 「やった…のかな?」 その時、ピカチュウの体から藍色の珠が抜けて、ピカチュウは海へと真っ逆さま。 「ピカチュウ〜!!!!!!」 サトシもピカチュウを追ってカイリューから海へと飛び込む。 「サ、サトシ!!」 なんて無茶な事を!! と思ったら、どうやらアオギリに操られていたカイオーガは正気に戻り、サトシ君を助けたみたい。 というわけで、一件落着。後日談だけど、後日、怪しいビジュアルのマグマ団と、 アクア団が解散したみたい。…ファウンスの件から色々とあったけど、これで問題解決ってことか。 そもそもこの事件は、人間が自然を操ろうとしたから起こったこと。 自然は人間の思うようにはならない。 それは僕の住んでいた島の歴史からもはっきり証明されてるからさ… いつか僕の住んでいた島の人達も自然やポケモンと共存できるのかなぁ…。 次へ 戻る