「ふん!!今日のところは勘弁してやる!!また俺達の邪魔をしたら、今度はただじゃおかないからな!!」

奴らは、グラエナをモンスターボールに戻すと、オオスバメに乗って飛び去る。

「ヒカル?追わなくていいの?」
「追いたいけど、バトラーさんと様子を見に行ったダイアンさんが心配だから見に行かないと。」

「…残念ながら、その必要はないんだ。」

上からフライゴンが降りてくる。

「どういうこと?」
「バトラーがマシンの調整をしている所に行ったんだけど、バトラーがいないんだ。
恐らく連れ去られちまったんだと思う。」

そっか…いくらマグマ団がバトラーさんを除名したとは言え、
組織の事情を言いふらされたらたまらないだろうからな…

「じゃあ、早くマグマ団を追わなきゃ!!」 

その時、さっきのマグマ団員が乗っていた飛行機が大型の飛行機に収容される。

「フライゴン、協力して!!僕をあの飛行機まで連れてって!!」
「言われずともそうするつもりだ!!」

僕はコリンク以外のポケモンたちをモンスターボールにしまうと、コリンクを抱き上げて、
フライゴンに乗った。

「最高速度で行くから、振り落とされんなよ!!」

フライゴンは、そう言って、急発進し、ぐんぐんマグマ団の飛行機に近付くと、翼の部分に着地する。

「あれ?インターフォンが無いよ?」

フライゴンとコリンクがずっこける。
…ヒカルって天然なのかな?(byコリンク)

「あ、あのさぁ…飛行機にインターフォンなんてあるわけないでしょ?」
「…ふーん。ま、いっか。」

全然良くないと思うのは俺だけか?(byフライゴン)

「じゃあ、強行突破しかないね!!準備はいい?ポッチャマ!!」

僕はモンスターボールからポッチャマを出す。

「ポッチャマはバブル光線、コリンクは10万ボルト!!」

水は電気分解によって、酸素と水素に分解される。逆に、火気があるところでは
酸素と水素は爆発して、水になる…はず。

「フライゴン、火炎放射をお願い!!」

フライゴンの火炎放射がバブル光線と10万ボルトが交わるところに命中して、大
爆発を引き起こし、僕の狙い通り、機体にあなが開く。

「よし、入るよ!!」

僕とポケモン達は機内に入っていく。機内は警戒体制を知らせるのであろう、サ
イレンが響いている。

「準備はいい?セレビィ!!」

僕はセレビィをモンスターボールから出す。

「セレビィ、僕たちを5分前にワープさせて!!」
「お安い御用っ!!」

目の前が一瞬白くなり、視界が戻る。元と同じ風景である。ただ、警報サイレン
もなっていなく、さっき開けた穴も無い。

「なるほどね♪僕たちが侵入するのは今から5分後。ということは、まだマグマ
団員達が警戒をしていないから、見つかりにくいってことでしょ〜」
「その通り。」
「じゃあ、何で5分にしたの?20分前でも30分前でも良かったよね?」

確かに、最もな疑問だ。寧ろ20分前、30分前の方が気付かれにくい。

「この飛行機が動いてるから、同時に飛行機のこの場所も動いているんだ。つま
り、飛行機の中で同じ場所をキープしながら、時渡りをするためには、空間移動
をしなきゃいけない。セレビィの空間移動能力は5分前の飛行機があった場所ぐ
らいへが精一杯だから…って、自分でも何言ってるんだかわからなくなってきた
…」

4匹がずっこける。

「とりあえず、セレビィには空間移動能力がないから、5分以上は無理なの。」

そう言いながら、セレビィとポッチャマをモンスターボールにしまう。

「あんまり大人数だと動きにくいからね。さ、行くよ。コリンク、フライゴン。
」

コリンクはヒカルの肩に飛び乗る。

しばらく通路を歩いていると、警報が鳴りだす。僕たちが機体を壊したからだね
。

「ヒカル、あれを見て。」

コリンクがドアに書かれた文字を指す。

「ん…コントロールルームじゃないか。…よし。ここを奪っちゃえばこっちのも
んだ!!準備は良い?エルレイド。」

エルレイドをモンスターボールから出す。

「エルレイド、入ると同時に催眠術で中の人間を眠らせるよ。」

エルレイドはこくんと頷く。

「よし、コリンクスパーク、エルレイドサイコカッター!!」

2匹の攻撃でドアが破られる。

「何者だ!!」
「今だエルレイド!!催眠術!!」

コントロールルームのマグマ団員は一人残らず寝息をたて始めた。以外と楽勝だ
ったな♪後はっと。
僕は、コンピューターを操作し、コントロールルームへと続く隔壁を閉鎖。操縦
をフエンタウンを目的地とした自動操縦に切り替える。こういうコンピューター
の操作は大の得意だったりする。そういや、セレビィが「マニアックな事ばっか
り得意なんだよね♪ヒカルは。」って言ってたっけ。確かにそうかもなあ…この
歳でマグマ団の飛行機のメインコンピューターを操れる人が僕以外にいたら会っ
てみたいよ。

そんなことを考えつつ、僕はフエンの警察に連絡を入れた。


…その後。マグマ団一味はジュンサーさん達に捕まり、事情聴取を受けている。
どうやら下っ端の寄せ集めだったようだ。どうりでコントロールルームに簡単に
侵入出来た訳だね。
バトラーさんとダイアンさんも無事救出。ジラーチの眠り繭も回収され、バトラ
ーさん達がファウンスに持ち帰り、一件落着。
…僕たちはというと、フライゴンが仲間に加わり(マグマ団の飛行機の中での『
冷静』な行動を見て、仲間にしてくれと言い出したんだ。勿論、セレビィは「単
にマイペースなだけ」と突っ込んでいたけど…)


翌日…
僕はジム戦にフエンジムへと来ていた。

「只今より、ジムリーダーアスナとチャレンジャーヒカルによるジム戦を開始し
ます!!使用ポケモンは3匹。どちらかのポケモンが全て戦闘不能になった時点で
、試合終了とします。なお、ポケモンの交代は、チャレンジャーにのみ認められ
ます。それでは、試合開始!!」
「準備は良い?フライゴン!!」



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