船から降りてくるヒカル。 「ホウエン地方到着!!」 「でもさ、ヒカル、この後どうするの?」 「どうするのって、ホウエンリーグに挑むに決まってるでしょ。」 ポッチャマが首を傾げる。 「ホウエンリーグってなんなの?」 「ポケモントレーナー達が集まるトーナメント、ポケモンリーグの一つだよ。 各地のポケモンジムを巡って、リーグバッチを8個手に入れるとか、トレーナーズスクールを好成績で卒業するとか、そういう条件を満たしたトレーナーが参加できるんだ。 だから、ジム巡りしてバッチを集めないと。」 「へぇ〜で、そのポケモンジムって、どこにあるの?」 「ええっと…船で貰ったガイドによると…トウカシティにあるみたいだね。その前にポケモンセンターでリーグ参加登録をしなくちゃ。」 ポケモンセンターで、リーグ登録を済ませ、トウカジムへと向かう。 「ごめんくださ〜い。ジムに挑戦しに来ました〜。」 中から出てきたのは、女の人。ジムリーダーはバトル中だという。女の人がバトルを見ていかないかと勧めたので、ヒカルはバトルを見学することに。 中ではジムリーダーのヤルキモノとチャレンジャーのピカチュウがバトル中。 良いバトルだったが、結局チャレンジャーの負けで終了。 バトルの後の会話を二、三済ますと、ヒカルのことに気づいたようだ。 「キミは誰だい?」 「あ、…ボクはヒカルと言います。ジム戦に挑戦しに来ました。」 「ああ、そうか。よし分かった。ジム戦をやろう。うちのジムは3対3のシングルバトルだが、いいかな?」 「え?さっきは1対1でバトルしてたみたいですけど…」 「あれはジム戦じゃないんだ。俺、まだ手持ちに3匹揃ってないから、1対1の練習試合をやってたんだ。」 と、ピカチュウを連れたチャレンジャーは答える。 「俺の名前はサトシ。ポケモンリーグ出場を目指して旅してるんだ。」 「はじめまして。…じゃあ、センリさん、ボクもまた今度でいいですか?まだ旅立ったばかりで3匹揃ってないですから。(まさかセレビィを出すわけにも行かないしな…幻だし。)」 「よし、分かった。では待ってるよ、ヒカル君。」 ヒカルは、サトシとセンリに別れを告げ、トウカジムを去った。 「で、どうするの?」 「とりあえず、次のジムがあるカナズミシティに行く。その途中に、トウカの森って森があるから、そこでポケモンゲット!!」 「ちょっと、君。」 ヒカルは背後から呼び止められる。 「君、ヒカル君かい?」 「ええ、そうですけど…」 「私はシンオウ地方トレーナー協会のトレーナーだ。私の仲間が君を見つけてね。両親が心配して、君の捜索を依頼したんだ。早く家へ帰りなさい。」 「(あの馬鹿親…)嫌です!!」 「…手荒なことはしたくないけど君が嫌がるなら無理やり連れて帰るしかないね!!行け、ライチュウ、ラフレシア!!」 「頼むよ、コリンク、ポッチャマ!!」 (タイプ相性的にも、まともにバトルして勝てるはずがない…逃げることを考えなくちゃ…) 「ラフレシア、花びらの舞、ライチュウ、10万ボルト!!」 「コリンクはスパーク、ポッチャマはバブルこうせんをそれぞれ地面に!!」 二匹の攻撃で、石が飛び散り、2匹の攻撃は阻まれ、土煙が立つ。 「今だ!!逃げるよ!!」 ヒカルと2匹は、トウカの森方面へと逃げていく。 「待てえ!!」 砂埃が晴れ、トレーナーが後ろから迫ってくる。 「ごめんね!!ドクケイル!!」 そういって、草村の中に石を投げ込む。すると、中からドクケイルの大群が現れ、追いかけてきたトレーナーを攻撃し始めた。トレーナーが小石を投げたと勘違いしたのだろう。 「はぁ…はぁ…なんで…あそこに…ドクケイルの…巣がある…って…分かったの?」 走りながらコリンクが聞く。 「ポケモン図鑑で…ここらへんにいる野生のポケモンを…調べたんだ。 …はぁ…はぁ…そしたら、…ケムッソがいるらしくて…ケムッソがいるってことは…ドクケイルもいるから…石なげれば…ドクケイルの巣に…当たるんじゃないかな…と思って… この時期…ドクケイルは…子育てで…ピリピリしてるはずだから…」 「ライチュウ!!でんこうせっかで回り込め!!」 「もう来ちゃったか…」 「さあ、シンオウに帰るんだ!!」 腕を無理やり掴まれる。 「止めろ!!離せ!!」 「おい、何やってるんだ!!嫌がってるじゃないか!!」 現れたのは、ヒカルがトウカジムで会った、トレーナーのサトシ…と女の子と小さなな男の子。 「私は彼の両親に彼を家に連れ戻すように頼まれているんだ。口を挟まないでくれ。」 「でも嫌がってるじゃないの!!」 女の子が言った。 「…まあ、いいか。あまり手荒なことはしたくないから。今回はこれで引き下がるけど、次会ったときは必ず家に帰ってもらうからね。ピジョット。」 トレーナーはピジョットを出して飛び去る。 「ありがとう。サトシ…だったよね。改めて自己紹介するよ。ボクはヒカル。よろしく。」 「ああ。こいつは相棒のピカチュウ。」 「私、ハルカ。」 「僕はマサト。」 「なあ、ヒカル、さっきの奴ら、なんなんだ?家に連れ戻すとか言ってたけど…」 ヒカルは今までのことを全て話し始めた。 「…そうだったのか。」 「うん。でも、そのおかげでボクのポケモン達に会えたんだから、贅沢は言ってられないよ。」 ヒカルは肩をすくめて笑う。 「ねえ、サトシもポケモンリーグ出場を目指してるんでしょ?じゃあ、次に行くのはカナズミシティだよね?」 「ああ、そうだぜ。」 「じゃあ、カナズミシティまで一緒に行ってもいいかな?」 「勿論OKだぜ!!な、みんな?」 「賛成かも!!」 「うん、ボクも賛成!!」 というわけで、ボクはサトシ達一向の旅にしばらく同行したんだ。 手持ちポケモンがシンオウのポケモンだから、サトシ達の図鑑にデータが無くて、説明するのは大変だったけど、途中から、タケシって人も入って、賑やかで楽しかったよ♪(ヒカル談) 次へ 戻る